PTHを投与したマウスでは骨小腔周囲におけるリン酸カルシウムの溶出により、骨小腔の拡大が認められた。しかし、PTH投与後にカルセインや42Ca安定同位体を投与したマウスの骨基質を観察すると、一度、骨小腔周囲のリン酸カルシウムが溶出した部位に、新たにカルシウムが沈着することが強く示唆された。このことから、骨細胞がPTHに反応して可逆的にリン酸カルシウムを溶出・沈着する可能性が推察された。一方、ALN投与でも同様に骨小腔の拡大が認められたが、PTH投与とは異なり、骨細胞のダメージや骨細胞ネットワークにおける細胞突起の断裂などが観察されたことから、不可逆的な抑制現象であることが示唆された。
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