マウス鼓索神経応答の解析から、カプサイシン (Cap)が糖類、NaClの応答を増強し、人工甘味料や他の味物質に対しては影響を生じないことがわかった。さらにマウス味蕾に、Cap受容体活性化により軸索反射で放出されるアドレノメデュリン (ADM)受容体が発現していること、ADM投与により糖類特異的な甘味応答の増強が生じること、ADM受容体阻害薬でこの増強が消失することが明らかになった。さらに、この増強作用は、糖特異的甘味受容機構であるSGLT1阻害薬フロリジンにより消失することから、Cap刺激により放出されたADMにより、SGLT1発現量が変化し、糖類特異的な味応答の増強が生じたと予想された。
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