これまで我々は骨芽細胞に発現するオピオイド増殖因子受容体の機能解析を行ってきた。その結果、これまでに、1. 骨芽細胞に発現するオピオイド増殖因子受容体は骨芽細胞の増殖に関与すること。2. マウスにオピオイド増殖因子受容体遮断薬であるナルトレキソンを投与すると骨量が増加することを見出してきた。 今回、我々は骨粗しょう症モデルマウスである卵巣摘出マウスに対してナルトレキソンを投与し、骨量減少に対する抑制作用を検討した。その結果、ナルトレキソン投与は卵巣摘出で生じる骨量減少を有意に抑制する作用があることを見出した。さらに、その作用は骨芽細胞の増殖を促進し、骨量増加に寄与していることがわかった。 骨組織には骨芽細胞のみならず破骨細胞や骨細胞といった細胞が存在している。これまで、破骨細胞や骨細胞におけるオピオイド関連受容体の発現や機能解析をした研究はほとんどない。今後はこのあたりに着目して研究を深めたい。
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