世界で広く使用させれいる痛み止めに麻薬性鎮痛薬を代表とするオピオイドがある。近年、オピオイドの長期投与患者は骨粗しょう症のリスクが高くなることが多く報告されている。しかし、その機序については不明な点が多い。そこで私はオピオイドの骨組織への作用について研究を行った。その結果、骨芽細胞にはオピオイド増殖因子受容体が多く発現しており、細胞増殖を負に制御していることを見出した。また、オピオイド増殖因子受容体遮断薬であるナルトレキソンをマウスに投与すると、対照群と比較して有意に骨量が増加することがわかった。これらの結果は、ナルトレキソンが骨量増加作用を持つ新規骨粗鬆症治療薬としての可能性を示唆している。
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