A型インフルエンザウイルス (IAV) による主な死因の一つは,肺炎球菌による細菌性肺炎の合併である.本研究では,細菌感染初期におけるIAV感染宿主-細菌間相互作用に着目し,小胞体局在シャペロンである GP96 がIAV感染に伴い,肺胞上皮細胞表層に誘導されることを見出した.IAV感染細胞への肺炎球菌の菌体付着量はウイルス非感染細胞と比較して有意に増加したが,GP96抑制剤の添加により非感染細胞への付着と同等レベルまで減少した. 以上の結果から,IAV感染により上皮アピカル部位に表出したGP96は,肺炎球菌に対する宿主レセプターとして機能することにより菌体付着を亢進させることが示唆された.
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