HPV陽性口腔がんは予後良好であるが、その機序は不明である。HPV16型 E6遺伝子を発現した細胞はポリADPリボースポリメラーゼ (PARP) の発現が高く、ポリADPリボシル化を強く誘導することから、HPV陽性口腔がんの予後は、PARP発現及びポリADPリボシル化の程度が関連すると考えられる。口腔がんの病理組織標本を用いてHPV感染とPARP発現を比較したところ、HPV非感染群と比べ、high-risk HPV感染群でPARP発現が誘導されることが確認できた。しかし、in vitro では口腔がん細胞株によってPARP発現が異なり、HPV感染との関連及び治療感受性との関連は見られなかった。
|