本研究ではシュウ酸ナトリウムをマウスに経口投与し,唾液腺に発現するSLC26A6の機能と唾石形成の因果関係について調査した.12週齢FVB/Njマウスを2群に分け,シュウ酸ナトリウムの2週間の経口投与する群と,生理食塩水を同量経口投与する群(コントロール群)に対し,組織中のシュウ酸カルシウム結晶沈着を確認した.腎臓,顎下腺,舌下腺組織をPizzolato染色したところ,全ての組織でシュウ酸ナトリウム経口摂取群のみでシュウ酸カルシウム結晶の沈着が認められた.舌下腺においては腺房細胞の一部に現局して大型の結晶が偏在しており,Slc26a6が舌下腺組織唾石の形成に関与している可能性が示唆された.
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