研究課題
ヒトⅠ型コラーゲン様リコンビナントペプチドは,遺伝子組み換え技術によってアルギニン-グリシン-アスパラギン酸配列を豊富に含み,動物由来成分を含まないバイオマテリアルとして注目されている.これを顆粒状に成形し(RCP),さらにβ型リン酸三カルシウム(β-TCP)微粒子を配合したβ-TCP/RCPは,良好な生体親和性と骨形成能を示すことが報告されている.そこで本研究ではβ-TCP/RCPをビーグル犬に作製した実験的骨欠損部に埋植して歯周組織再生効果があるかどうかを検討した.術後8週におけるマイクロCT画像解析の結果,新生骨量は,β-TCP/RCP群がCtrl群に比較して2.2倍多く,両群間に有意差を認めた.組織学的所見から,β-TCP/RCPの埋植部位に新生骨様組織が形成され,歯根膜を再生させる可能性も示した.さらに組織学的計測から,β-TCP/RCP群がCtrl群に比較して歯肉高さ,新生骨高さ,上皮高さ,POSTIN高さにおいてそれぞれ1.3倍,1.7倍,1.3倍,2.1倍高く,両群間に有意差を認めた.以上のことから,β-TCP/RCPは歯周組織再生材料として有効であることが示唆された.β-TCP/RCP埋植後の新生骨量は対照群と比較して2.2倍多く,両群間に有意差を認めた(P<0.05).組織学的所見から,埋植されたβ-TCP/RCPの周囲や内部に新生骨様組織の形成を認め,β-TCP/RCP埋植によって歯根膜様組織が2.1倍多く形成され(P<0.05),歯肉退縮を有意に抑制した(P<0.05).以上よりβ-TCP/RCPは歯周組織再生材料として有効であることが示唆された.
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Journal of Periodontal Research
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Nano Biomedicine
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