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2018 年度 実施状況報告書

2種類のエナメルプロテインを用いた多機能性歯周組織再生用メンブレンの開発

研究課題

研究課題/領域番号 18K17040
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

池田 裕一  東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (30736179)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワードエナメル蛋白質 / 細胞接着 / 石灰化誘導 / メンブレン
研究実績の概要

研究者はエナメル蛋白質であるアメロチン、ODAMを歯周組織再生用メンブレンに適用することにより、A.メンブレンの片面が石灰化しつつ、B.歯や骨などの硬組織に接着し、C.もう一方の面に歯肉が接着し、D.同時にメンブレンが骨芽細胞の石灰化を促す複数の特性を持つメンブレンの開発を目指した。
これまでにアメロチンをメンブレンに適用し、in vitroにおいてA.B.を満たすメンブレンの作成に成功している。ODAMをメンブレンに適用しさらなる特性をメンブレンに付与するため、今年度はin vitroにおいてODAMの持つ機能に関して探索を行った。
マウス前骨芽細胞株MC3T3-E1をODAM添加石灰化誘導培地にて培養したところ、ODAM添加培地群のほうが早期にアリザリンレッド染色での石灰化を確認することができた。非誘導培地、誘導培地単独では染色が見られなかったことから、ODAMは骨芽細胞への分化を促進し、石灰化結節形成を促したと考えられる。また、ODAM添加コラーゲンゲルへのヒト歯肉線維芽細胞HGF1、口腔扁平上皮がん細胞株Ca9-22の接着を調べたところ、ODAM添加コラーゲンゲルへの細胞の接着が有意に高かった。また、Ca9-22のほうが有意に多くコラーゲン上に接着していたが、遺伝子発現をリアルタイムPCRで確認したところ、Ca9-22でLaminin5が高発現しており、これによるものと考えている。さらに、ODAMのハイドロキシアパタイトへの吸着を調べたところ、アメロチンよりも吸着力がやや劣るが、オステオポンチンを上回る吸着が見られた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

現在ODAMの機能解析が順調に進んでおり、19年度には動物実験に着手できる予定である。

今後の研究の推進方策

上半期は、ODAMの機能をもたらしている活性部位を探索するため、短いタンパク質を用意し活性部位を特定していく予定である。メンブレンに全長の蛋白質ではなくペプチドを載せることで、将来的なコストダウンを図れることを期待している。
またCa9-22が有意にコラーゲン上に接着していたことがLaminin5であることを確認するため、LAMA3遺伝子のノックダウンを行い接着量の変化を確認する。
それらの実験の結果が出そろった後に、動物実験へと移行していく。方法として、マウス頭蓋骨に作成した欠損上にメンブレンを設置し、骨組織の再生をマイクロCTや、組織学的解析を用いて調べていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

動物実験を2018年度は動物実験を行う準備に費やし、2019年度に実施予定であるため2018年度の予算の繰り越しが起こってしまった。今年度は動物実験に加え、タンパク質の機能部位解析に実験費用がかかるため、2018年度の繰越金を使用していく予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 国際共同研究 (1件)

  • [国際共同研究] トロント大学(カナダ)

    • 国名
      カナダ
    • 外国機関名
      トロント大学

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公開日: 2021-12-27  

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