研究課題/領域番号 |
18K17051
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57030:保存治療系歯学関連
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
生田 貴久 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 助教 (00746563)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 糖尿病関連歯周炎 / 最終糖化産物 / LPS / 低酸素環境 / リポカリン2 |
研究成果の概要 |
本研究では,低酸素環境下で最終糖化産物(AGEs)やLPSが糖尿病(DM)関連歯周炎の病態に及ぼす影響を検討した。低酸素環境は口腔上皮細胞のリポカリン2(LCN2)やIL-6の発現を減少させた。AGEsはLCN2やIL-6の発現を増加させ,低酸素環境はその効果を低下させたが,LPSは効果を示さなかった。シグナル伝達経路のMAPKやNF-κBは低酸素環境やAGEsにより複雑な増減変化を示した。正常酸素濃度下でAGEs誘導されたLCN2は好中球のIL-6発現を低下させ,遊走性を促進させた。AGEsによる口腔上皮細胞由来LCN2は,糖尿病関連歯周炎の病態に複雑な影響を及ぼすことが示唆された。
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自由記述の分野 |
歯周病学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は糖尿病関連歯周炎の病態研究に関して,従来から行われてきたLPSやAGEsによる炎症性サイトカイン発現への検討だけでなく,低酸素環境にある歯周ポケット内での反応性やこれまでに調べられていない炎症反応関連因子のリポカリン2(LCN2)による糖尿病関連歯周炎への関与について検討を行った。この結果,低酸素環境は,炎症関連因子や歯周組織細胞に関連する因子の発現やシグナル伝達機構に対して非常に複雑な影響を与えることが判明した。また,口腔上皮細胞由来のLCN2は,好中球の炎症反応に対して複雑な作用を示すことが分かった。今後それぞれの因子や経路に関してさらに詳細な検討が必要となることが示唆された。
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