本研究は,(1)老化関連疾患である歯周病と動脈硬化症の基盤病態に関与する因子を同定すること,(2)細胞老化の抑制は,歯周病誘導性の動脈硬化症を防止できるか検討することを目的とした.若齢者または高齢者由来のヒト大動脈血管内皮細胞(HAECs)を継代培養して細胞老化を誘導し,歯周病原菌であるP.g菌由来のLPSを添加して,HAECsに及ぼす影響を検討した. その結果,IL-6の発現量が有意に増加したが,一方で老化関連因子の発現量に有意な差はなかった.以上より,歯周病と動脈硬化症の基盤病態においてIL-6が関与し,老化が両疾患を悪化させる機序において重要な役割を果たす可能性が示唆された.
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