歯周病は歯周組織の破壊を伴う慢性炎症性疾患であり、加齢に伴い罹患率が増加する。よって、細胞レベルでの老化すなわち「細胞老化」「幹細胞老化(ステムセルエイジング)」の関与が示唆される。MicroRNA(miRNA)は、ストレス応答性の小分子RNAであり、老化・寿命の制御に関わることが報告されている。我々はmiR-34aが老化歯根膜細胞に発現しており、SATB2(硬組織形成を促進する遺伝子)を標的遺伝子としていることを見出した。本研究により、老化歯根膜細胞におけるmiR-34aによるSATB2の発現制御が、歯周組織における歯根膜の幹細胞性喪失の一端を担うことが明らかとなった。
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