研究課題
先行研究で、脂肪細胞-マクロファージ共培養系をLPS刺激した際に脂肪細胞で発現変動を示すmicro (mi) RNAのスクリーニングを行った。その中に炎症制御に関与するmiRNAが含まれていた。炎症状態での本miRNA発現誘導については、脂肪・歯周両組織で報告があるものの、実際の炎症抑制効果については明らかではない。そこで、脂肪・歯周組織における本miRNAによる抗炎症効果を検討した。LPS刺激下でマクロファージと共培養した脂肪細胞または歯肉線維芽細胞における当該miRNA発現量および各々の細胞の単独培養群における発現量を定量した。また、共培養群や単独培養群に当該miRNAを導入した際のサイトカイン遺伝子発現やタンパク発現の変動を測定した。さらに、マウス尾静脈より本miRNAを投与した際の脂肪・歯周組織の炎症抑制効果について検討した。LPS刺激下でマクロファージと共培養すると、脂肪細胞および歯肉線維芽細胞からの本miRNAの発現が亢進し、単独培養群ではマクロファージにおいてmiRNAは発現が亢進した。また、これらの細胞に本miRNAを導入すると、サイトカイン発現が抑制された。TNF-α中和抗体添加によりサイトカイン産生が抑制されるという過去の結果から、今回用いた共培養系においても当該miRNAがマクロファージからのTNF-α発現を抑制し、結果的に炎症抑制につながったと考える。本miRNAは肥満糖尿病などにおいて脂肪・歯周組織の炎症に共通の制御因子として働く可能性がある。
2: おおむね順調に進展している
研究自体は計画通りに進展したが、コロナウイルス感染拡大のため、成果発表を行う予定であった学会が中止になってしまった。
必要であれば追加実験を行ったうえで、成果発表を行いたい。
新型コロナウイルス感染拡大のため成果発表を行う予定であった2020年3月開催予定の学会が中止となったため。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 2件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 3件) 図書 (1件)
Biochem Biophys Rep.
巻: Jul ページ: eCollection
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