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2018 年度 実施状況報告書

膜性骨化におけるIHHシグナルを介したCdc42の機能の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18K17076
研究機関昭和大学

研究代表者

相澤 怜  昭和大学, 歯学部, 助教 (80710673)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2020-03-31
キーワードCdc42 / 頭蓋骨
研究実績の概要

歯槽骨を含む顔面頭蓋の骨格の多くは膜性骨化によって形成される。申請者らは、Rhoファミリータンパク質であるCdc42(cell division cycle 42)が個体レベルでの骨・軟骨形成において、軟骨内骨化での正常な軟骨細胞の肥大化や軟骨基質の石灰化、肢芽形成期での軟骨細胞の凝集およびパターニングに重要な役割を果たしていることを明らかにした。一方、Cdc42が個体レベルの膜性骨化において果たしている機能は未だ不明な点が多い。本研究では、頭蓋における間葉細胞特異的にCdc42遺伝子を欠損させたコンディショナルノックアウトマウス(Cdc42fl/fl; Prx1-Creマウス)を用いて、膜性骨化におけるCdc42の役割について検討を行った。
Cdc42コンディショナルノックアウトマウスにおける前頭縫合、および矢状縫合部の骨形成は野性型マウスと比較して有意に減少していたが、これらの頭蓋縫合部の細胞増殖および細胞死マーカーの発現に有意差は認められなかった。そこで、頭蓋縫合部における細胞の遺伝子発現について検討を行ったところ、Cdc42コンディショナルノックアウトマウスの頭蓋縫合部周辺において、頭蓋骨の形成に関与するIndian hedgehog(Ihh)、Bone Morphogenetic Protein(Bmp)2、およびBmp4の発現が減少していることが明らかとなった。以上の結果から、IhhおよびBmpシグナルによって制御される頭蓋骨形成において、Cdc42が重要な役割を果たしていることが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究計画初年度に計画していた研究が概ね実施できたため。

今後の研究の推進方策

マウス頭蓋由来細胞を用いて、in vitroでの細胞増殖、細胞死、細胞分化に対するCdc42の機能が阻害された際の影響の検討を行うことで、さらなる研究の推進を図る。

次年度使用額が生じた理由

次年度使用額は、今年度の研究が効率的に推進したことにより発生した未使用額である。
当該金額は、平成30年度請求額と合わせて次年度に計画している研究の遂行に使用する。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2019 2018 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件) 備考 (3件)

  • [雑誌論文] Cdc42 regulates cranial suture morphogenesis and ossification2019

    • 著者名/発表者名
      Aizawa R, Yamada A, Seki T, Tanaka J, Nagahama R, Ikehata M, Kato T, Sakashita A, Ogata H, Chikazu D, Maki K, Mishima K, Yamamoto M, Kamijo R
    • 雑誌名

      Biochem Biophys Res Commun

      巻: 印刷中 ページ: 印刷中

    • 査読あり
  • [学会発表] Replacement of junctional epithelium by oral epithelium2018

    • 著者名/発表者名
      Kato M, Aizawa R, Tanaka J, Yajima-Himuro S, Seki T, Tanaka K, Mishima K, Yamamoto M
    • 学会等名
      104th Annual Meeting of the American Academy of Periodontology in collaboration with the Japanese Society of Periodontology and the Japanese Academy of Clinical Periodontology
    • 国際学会
  • [学会発表] 人工再構成歯胚技術を用いたマウス歯肉接合上皮細胞株の樹立2018

    • 著者名/発表者名
      関 辰明,相澤 怜,田中準一,氷室沙羅,加藤麻友,田中慧介,美島健二,山本松男
    • 学会等名
      第61回秋季日本歯周病学会学術大会
  • [学会発表] 歯胚移植技術を用いたマウス歯肉接合上皮構成細胞の経時的変化の解明2018

    • 著者名/発表者名
      加藤麻友,相澤 怜,関 辰明,田中慧介,美島健二,山本松男
    • 学会等名
      第60回歯科基礎医学会学術大会
  • [学会発表] 歯肉接合上皮構成細胞の経時的変化の解明2018

    • 著者名/発表者名
      加藤麻友,相澤 怜,田中準一,氷室沙羅,関 辰明,田中慧介,美島健二,山本松男
    • 学会等名
      第347回昭和大学学士会例会
  • [備考] 昭和大学歯学部口腔生化学講座

    • URL

      http://www10.showa-u.ac.jp/~oralbio/index.html

  • [備考] 昭和大学歯学部歯周病学講座

    • URL

      http://www10.showa-u.ac.jp/~perio/index.html

  • [備考] 昭和大学学術業績リポジトリ

    • URL

      https://meta.lilitory.showa-u.ac.jp/

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公開日: 2019-12-27  

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