本研究は生後6週齢の雄性ラットの根未完成歯にpulp revascularizationを施し、術後長期間の根管内と根尖歯周組織の組織学的解析を行うことを目的としている。動物を用いた実験期間は2018年度から2019年度に実施した。休止期間を経て、今年度は組織標本を用いて染色および解析を行った。 動物実験の術式および器具の変更はない。1週間の予備飼育を行った生後6週齢のWistar系雄性幼若ラットの上顎第一臼歯を実験に用いた。全身麻酔を施した後、バイタルサインモニターによるバイタル管理下で実験を行った。ラット用クランプでラバーダム防湿を施し、手術用マイクロスコープを用いて髄室開拡を行った後、作業長3.5mmでNiTiファイルをエンド用モーターに取り付け根管内容物の除去を行う。根管内を生理食塩液で洗浄、乾燥を行う。コントロール群では裏層、充填を行う。EDTA群ではEDTA溶液で洗浄後に生理食塩液で洗浄乾燥し、根尖孔から出血を促し根管口部まで血液を満たし、裏層、充填を行う。非EDTA群では生理食塩液でのみ洗浄を行い、根尖孔から出血を促し根管口部まで血液を満たし、裏層、充填を行う。術後は被験歯の破折・脱離の改善をするために餌を泥状にし、術後12週、24週で灌流固定を行う。その後、通法に従ってパラフィン包埋し各種染色を必要に応じて行う。 本年度は前年度に行ったEDTA群および非EDTA群の術後12週、24週の動物実験群の灌流固定を行い、通法に従ってパラフィン包埋した。 パラフィン包埋後の切片をHE染色し、組織標本を完成させた。組織標本の解析をもとに学会発表を行った。
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