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2018 年度 実施状況報告書

エムドゲイン由来合成ペプチドを応用した新規歯髄温存・石灰化療法の創製

研究課題

研究課題/領域番号 18K17080
研究機関大阪歯科大学

研究代表者

嘉藤 弘仁  大阪歯科大学, 歯学部, 助教 (70745348)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2020-03-31
キーワードエムドゲイン / 歯髄幹細胞
研究実績の概要

新規合成ペプチド(SP)のヒト歯髄幹細胞(HDPSC)に対する細胞増殖能への影響はSP添加 3日, 5日, 7日の培養後の評価において, SP添加群では対照群と比較して有意に高い値を示し, 100 ng/ml濃度のSP添加群が最も有意に高い値を示した. またSP添加群において, HDPSCに対する細胞遊走能を有意に促進することが明らかになった。HDPSCに対するEMD由来合成ペプチドの硬組織分化への影響は培養開始7日, 14日においてALP活性, カルシウム析出量, 石灰化物形成能を有意に促進し, 培養開始7日においてSP添加群で有意にカルシウム・リン比の上昇が認められた。さらに, SP添加群においてERK1/2, JNK, p-38タンパク発現のリン酸化が誘導されることが明らかになった。
また象牙質形成に重要な役割を果たす象牙芽細胞に対するSPの影響を検討した。象牙芽細胞株であるKN-3細胞を実験に使用した。KN-3細胞に対する細胞増殖能への影響として, SP(0,1, 10,100,1000 ng/ml)を添加した10% FBS 含有培地でそれぞれ培養し, KN-3細胞の細胞増殖能の検討を行った. KN-3細胞をSP(0, 100 ng/mL)に調整した硬組織分化誘導培地で培養し, Alkaline phosphatase (ALP) 活性, ALP染色,カルシウム析出量、Alizarin red染色による石灰化物形成能, Dentin-sialo protein (DSPP) mRNA発現の検討を行った。SPはKN-3細胞の細胞増殖能, ALP活性, 石灰化物形成能, DSPP mRNA発現を有意に促進した。
したがって, SPは歯髄幹細胞と象牙芽細胞の硬組織形成能を促進し, 歯髄保存療法における覆髄材料として有用である可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

新規合成ペプチドを歯髄幹細胞に作用させ、硬組織形成を確認した。現在、マイクロアレイによる網羅的遺伝子解析を行う予定をしており、サンプルDNAを作製している。

今後の研究の推進方策

マイクロアレイによる網羅的遺伝子解析後に動物実験による覆髄効果の検討を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

当初の予定より培養試薬等を安価で購入できたため。残った予算については培養試薬等の購入に充てることとする。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] The Enhancing Effects of Amelogenin Exon 5-Encoded Peptide from Enamel Matrix Derivative on Odontoblast-Like KN-3 Cells2018

    • 著者名/発表者名
      Hirohito Kato, Yoichiro Taguchi, Kazutaka Imai, Yaru Ruan, Yu-Wei Tsai, Yi-Chie Chen, Muneyasu Shida, Reiko Taguchi, Kazuya Tominaga and Makoto Umeda.
    • 雑誌名

      Applied Sciences

      巻: 8 ページ: -

    • DOI

      https://doi.org/10.3390/app8101890

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] ヒト歯髄幹細胞に対するアメロジェニンペプチドの影響2018

    • 著者名/発表者名
      嘉藤弘仁, 田口洋一郎, 今井一貴, Ruan Yaru, 野口正皓, 山内伸浩, 山脇 勲, 富永和也, 田中 昭男, 梅田 誠
    • 学会等名
      日本歯科保存学会

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公開日: 2019-12-27  

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