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2019 年度 実施状況報告書

骨再生に関する新規術式の開発; 成長因子FGF-2の応用

研究課題

研究課題/領域番号 18K17084
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

丸山 起一  東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 非常勤講師 (60805745)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワード骨再生 / FGF-2 / 線維芽細胞増殖因子
研究実績の概要

2019年度は昨年に引き続き、FGF-2を骨移植材に混合することで骨再生能力にどう影響するのかを検討する実験を行った。
ビーグル犬3頭の背中の皮下に3種類の骨移植材を埋入し、異所性の骨再生実験を行った。①ハイドロキシアパタイト+β-TCP+自家骨、②ハイドロキシアパタイト+β-TCP+自家骨+FGF-2、③ハイドロキシアパタイト+β-TCP+FGF-2を、栄養孔が付与されたPET(ポリエチレンテレフタラーぜ)製のケースに充填し、皮下に移植した。昨年採取した標本から非脱灰研磨切片を作製し、観察を行った。作成した標本では①~③の郡において新生骨形成がケース内のごくわずかに限られ、データのばらつきも多く比較をすることが困難であることがわかった。昨年の問題点であった皮下移植後の感染に関しては、PETケースの蓋の適合を改善し、抗菌薬を応用することで解決することができ、安定して標本が採取できるようになった。今後自家骨の配合量を増加させること、標本採取までの期間を延長するなどの検討を行っていく。
顎骨における研究では、抜歯後の顎堤の骨吸収を抑える実験の論文報告を行った。上顎の小臼歯を抜歯し、規定した骨欠損を作製した部位にβ-TCPを移植することで対照群と比較して有意に石灰化組織の形成が認められた。本研究から骨形成におけるβ-TCPの有効性が示唆された。本結果を次年度以降の研究に応用していく予定である。
次年度は皮下において自家骨、β-TCPの配合量を変え、標本採取までの時間を長めにとることである程度良好な骨形成ができると考えている。良好な骨形成が安定して得られるようになったらFGF-2が骨形成に与える影響をさらに検討していく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

昨年作製した標本の評価を行ったところ、骨形成がケース内のごくわずかであり、標本ごとのデータのばらつきが大きかったため、皮下への移植実験に時間がかかっている。一定程度安定した骨形成が認められないと比較研究が困難であるため、骨形成量を向上させるための検討を行っている。次年度は骨誘導能を有する自家骨の配合量を増やす、有効性を報告したβ-TCPとハイドロキシアパタイトの割合を改善することとした。また標本採取までの期間を16週とし、ある程度長期での骨形成を観察し、FGF-2の有無による比較ができるようにしたい。

今後の研究の推進方策

現在、皮下における骨移植の実験がやや遅れているため、安定して良好な骨形成が得られるよう様々な考察を行い、実験を引き続き進めていく計画としている。ある程度良好な骨形成が得られる条件が見つかり次第、FGF-2の比較の実験に移っていく予定である。実験結果については、国内外の学会発表を行うことを目指している。

次年度使用額が生じた理由

皮下への骨移植実験に時間がかかってしまったため、顎骨への移植実験に進むことが困難となった。そのため、次年度にデータ解析や学会発表にかかる費用が必要となった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Ridge reconstruction in damaged extraction sockets using tunnel β‐tricalcium phosphate blocks: A 6‐month histological study in beagle dogs2020

    • 著者名/発表者名
      Ikawa Takahiro、Akizuki Tatsuya、Ono Wataru、Maruyama Kiichi、Okada Munehiro、Stavropoulos Andreas、Izumi Yuichi、Iwata Takanori
    • 雑誌名

      Journal of Periodontal Research

    • DOI

      10.1111/jre.12735

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2021-01-27  

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