ラットから家兎に対象が大きくなったためにμCTを用いた画像評価は不可能となった。そのために切片作成し、組織評価を施行した。 未治療群とLIPUS群では、腐骨の形成が改善所見は認めなかった。対象の中には排膿を継続するものがあり、切片でも炎症細胞の浸潤と膿瘍形成が認められた。そのため、骨芽細胞や破骨細胞の骨再生に必要な細胞はほぼ認めなかった。 抗生剤投与群では、炎症細胞は認めず、排膿所見も認めなかった。一方で骨芽細胞や破骨細胞の出現も認めなかった。骨も新生骨の増加はほぼなく、抜歯窩の母骨が上皮に被覆されず露出している所見であった。 併用群とマイクロバブル群では、感染による炎症所見はほぼ認めず、炎症細胞も認めなかった。骨芽細胞や破骨細胞も認められ骨治癒の傾向を認めた。TRAP染色でも陽性細胞が散見された。しかし、有意な差は2つの群では認めなかった。新生骨の増加に関しても2つの群で有意な違いは認めなかったが、所見としては、併用群の方が新生骨の増加があったとみられた。ALP染色では、反応が非常に乏しく陽性細胞を計測することは困難であった。考察としては、マイクロバブルを投与する際に骨造成を行う、細胞や幼弱な骨も洗浄または破壊していた可能がある。そのため、マイクロバブルを投与した場合に骨新生がやや遅延した所見があった。 ARONJの治療として併用群とマイクロバブル群は有用であることが示されたが、マイクロバブルは消炎後では骨遅延を認めたことから、消炎前までの投与によりより効果を示す可能性があった。
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