研究課題/領域番号 |
18K17088
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
松岡 隆 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (80807032)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 歯科インプラント |
研究実績の概要 |
歯科インプラント治療において,インプラント間の歯間乳頭の再建は最も困難な治療の一つであり,インプラント間歯槽骨は審美性の維持に必要不可欠である.インプラント治療終了後に生じやすい周囲骨吸収の力学的原因として,過重負荷とマイクロギャップが挙げられている.しかし,狭い領域であるインプラント間歯槽骨に対する解析は困難であるため,力学的報告はなされていなかった.インプラントの3次元有限要素解析(FEA)モデルの作製から解析までを1つのCADソフトウェアで行うことで解析の計算コストを大幅に削減することが可能となり,アバットメント連結様式や埋入条件がインプラント間歯槽骨に与える力学的影響を解析することを可能とした.2本のインプラント体を使用し、3種類のアバットメント連結様式と、埋入条件として埋入深度とインプラント間距離の2つのパラメータをで解析し、力学的影響を比較検討した。 また、それらの結果を模型実験で検証するため、まずは1本の既製のインプラント体を使用して模型実験を行った。有限要素解析で用いた3種類のアバットメント連結様式の中でコニカルコネクションタイプが力学的に有利であったため、模型実験ではすべてコニカルコネクションタイプのアバットメントを採用した。チタンベースを介するタイプと介さないタイプのアバットメントを使用し、静荷重の条件下でアバットメントデザインの違いがアバットメントの強度に及ぼす力学的影響を検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
有限要素解析で静的、かつ線形解析ですべての解析を行うことが可能であったが、当初目標としていた非線形解析で実験を進めることができなかった。非線形解析では設定条件が複雑で、解析が途中で破綻してしまったためである。 模型実験に関しては、当初は2本のインプラント体を使用する予定であったが、研究協力者と相談の結果、まずは1本のインプラント体で模型実験を始めることとした。
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今後の研究の推進方策 |
有限要素解析をより臨床条件に近い非線形で行うことはできなかったが、結果の数値は違うと思われるが線形解析と結果の傾向は変わらないと想定されるため、模型実験をすすめることとする。1本のインプラントに対する静荷重での模型実験は終了しているため、今後はより臨床条件に近い繰返し荷重での模型実験をすすめていくこととする。繰り返し荷重下でプレテストを行っている最中である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初、有限要素解析ソフトウェアの最新版を購入しようとしていたが、旧バージョンのものとでは解析結果の数値が異なることを知り、解析を途中まですすめていた旧バージョンで解析を続行することにした。また、模型実験のプリテストがまだ終了していないため、インプラント体が何本必要か目処がたたないため、模型実験に使用するインプラント体の購入を最小限に控えている。さらに、参加予定であった国際学会に冠婚葬祭で参加できなかった。
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