研究実績の概要 |
現在、口腔内疾患により失われた顎骨組織を再生させる手段がTissue engineering の3 要素を基盤に研究されている。その中でも特にiPS細胞の登場以来、細胞 移植療法に注目が集まっているが、その際に不可欠な人工足場材は移植細胞数や細胞機能を制限するという問題点があり、これらを全て解消するような理想的な ものが存在しないのが現状である。そこで本研究では多分化能を持つ組織幹細胞様細胞の一つである脱分化脂肪細胞(de-differentiated fat cell: DFAT)から脱 分化脂肪細胞集塊Cluster of DFATs/ECM complex (C-DFAT)を形成することで可能となる人工足場材を用いない細胞移植療法に着目し、C-DFATの樹立及びC-DFAT の骨形成能をin vitro, in vivoにおいて網羅的に解析し、安全・効率的かつ予知性の高い理想的な骨再生療法の基盤確立を行うことを目的としている。 現在、Matsumotoらの方法に準じて、rat DFAT分離・培養を以下の方法で成功し、その細胞を用いてC-DFATの形成に着手している。1)Wistar系ラットの鼠径部より脂肪組織採取、2)0.1% Collagenase Iを用いて、37°C, 1時間 gentle shaking、3)Filtrate後、135gで3分間遠心、4)維持培地にて1週間天井培養、5)フラスコを反転し、継続して培養。
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今後の研究の推進方策 |
1.脱分化脂肪細胞集塊Cluster of DFATs/ECM complex (C-DFAT)の樹立 2.in vitro実験系での骨分化培地刺激C-DFATの骨芽細胞様分化能解析;表現型:ALP活性測定, ALP stain, 遺伝子発現: Runx2/cbfa-1, Osterix, Osteocalcin, ALP, Bone sialoprotein 等(RT-PCR or Real-time PCR 法) 3.in vivo 実験系でのラット頭蓋骨欠損モデルを用いたC-DFATの骨形成能の組織・放射線学的解析
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