研究課題/領域番号 |
18K17100
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
古江 きらら 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 助教 (10813157)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 歯周疾患 / BMP9 / SDF-1 / CXCL12 / CXCR4 / 歯根膜由来細胞 |
研究実績の概要 |
歯周疾患は、世界的に見ても高い罹患率を示す口腔疾患である。歯周疾患の病態解析により、新規の予防方法および治療法を開発することは、社会的な意義が極めて高いと考えられる。現在行われている、歯周病によって失われた歯周組織に対する再生療法や、インプラント治療時の顎骨の骨造成には適応症の限界や組織の再生量の限界など改善すべき点があり、安全で効率的な再生療法の開発が求められている。再生には、細胞・シグナル分子・担体の3要素が必要となる。本研究で用いるbone morphogenetic protein 9(BMP9)は、強力な骨分化誘導能をもつシグナル分子であり、stomal cell-derived factor 1 (SDF-1)は、間葉系幹細胞を動員できるシグナル分子であり、両分子ともに再生医療分野で注目を集めている。 本研究は、歯周・骨組織再生におけるBMP9の作用機序およびSDF-1とその受容体であるCXCR4の関与を解明し、BMP9およびSDF-1を応用した新しい再生療法を開発することを目的としている。 本研究は遂行中である。今までに、歯根膜由来細胞におけるBMP9の影響について解析を行い、従来の報告の裏付けとなるような結果を得ることができた。また、ラット下顎骨におけるSDF-1およびBMP9の骨再生への関与についても、動物モデルにて実験を行い、現在解析中である。 さらに、BMP9とアミノ酸配列の相同性が高いBMP10についても、歯根膜由来細胞を用いて解析を行い、従来の知見とは異なる知見を得ることができた。 今回得られた知見をもとに、更なる解析を進めることで、BMP9およびSDF-1の歯周組織における作用機序の解明につながると考える。今後はさらに臨床に近い形での応用を検討していきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
実験動物入手の手続きに時間を要した結果、動物実験への着手が遅れた。また、研究試薬や細胞の入手に当初検討していたよりも時間を要した。 引き続き研究を遂行し、報告する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今まで得られた知見より、歯根膜由来細胞において、BMP9やSDF-1が歯周組織再生に置いて重要な役割を果たす可能性のあるデータを得ることができた。この知見をもとに、さらに歯周組織におけるBMP9やSDF-1、およびその受容体であるCXCR4の関与を解明していく予定である。また、BMP9とアミノ酸配列の相同性が高いBMP10について遺伝子解析を行ったところ、異なる遺伝子の応答を認めた。これはBMP9特異的な経路の発見につながる可能性が高い。 今後はBMP9やSDF-1を応用した新しい再生療法の開発につながるよう、動物モデル等を用いて臨床に近い形で研究を遂行していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
動物実験に遅れが生じ、また、それに伴い必要な試薬の購入も遅れている。さらに海外からの物品の取り寄せ等に時間を要したため、使用額に差が生じてしまった。また当初予定していたよりも購入物品が安価で手に入ったことも原因と考えられる。次年度には引き続き、試薬や実験器具、消耗品などの購入を行っていく予定である。
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