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2021 年度 実施状況報告書

ドラッグリポジショニングを用いた骨形成促進

研究課題

研究課題/領域番号 18K17105
研究機関愛知学院大学

研究代表者

山口 大輔  愛知学院大学, 歯学部, 講師 (70795111)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2023-03-31
キーワードdrug repositioning / Geranylgeranylacetone
研究実績の概要

本研究では熱ショックプロテイン(Heat shock proteins: Hsps) 誘導剤として知られているGeranylgeranylacetone (GGA)に注目をした。GGAは主に胃粘膜保護薬として使 用されてているが、特に骨組織へ与える影響は明らかになっていない。そこで「GGAが骨芽細胞においてHSPを誘導し分化を促進する」という仮説を立て、この 仮説をin vitroの実験系で検証することを目的とし、マウス骨芽細胞様細胞(MC3T3E-1)にGGAを投与し細胞応答や表現型の変化を検討した。 方法:マウス骨芽細 胞様細胞(MC3T3E-1)を骨芽細胞分化誘導培地で培養し、細胞増殖能の評価、コラーゲンの定量、ALP活性の測定、石灰化能の評価を行った。 結果:1)細胞増殖能 の評価:培養14日目において、GGA群は Control 群と比較して細胞数が多いと判定された。2)コラーゲンの定量:培養14日目において、GGA群 は Control 群と比 較してコラーゲン生成量の増加を認めた。3)ALP 活性の測定結果: 培養7、14日目において、GGA群は Control 群と比較してALP 活性が高くなった。4)石灰化能 の評価: 培養28日目において、GGA群は Control 群と比較して有意に染色面積率は高くなった。
結論:マウス骨芽細胞様細胞MC3T3E-1にGGAを投与することでコ ラーゲン生成量が増加し石灰化促進することを確認した。これらの研究データをまとめ令和2年度に学術論文に投稿している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナウイルス感染症による影響で研究時間に制限がありメカニズム解析には至らなかった。

今後の研究の推進方策

Total RNA抽出,遺伝子発現の網羅的解析,データマイニングを行いGGAが骨芽細胞に与える影響を解析する。
1)Total RNA抽出:培養細胞を回収し、Total RNAを抽出する。その後DNaseⅠ処理によりDNAを除去する。精製したTotal RNAを分光光度計を用いて、260/280 nmの吸光度比からRNAの純度を評価するとともに濃度の定量を行う。
2)遺伝子発現の網羅的解析:100 ngのTotal RNAからcDNAを合成する。得られたcDNAをcRNAに転写を行う。得られたcRNAを精製し、cRNAを断片化した後ハイブリダイゼーションさせる。洗浄後マイクロアレイ解析装置でマイクロアレイスポットを読み取り、読み取ったマイクロアレイスポット像をイメージ解析ソフトで検出する。
3)データマイニング:統計学的手法を用いた発現変動遺伝子群の抽出、分類、データの性質に応じて発現変動遺伝子群の抽出を行なう。また、発現プロファイルに基づいた遺伝子群の分類を行なう。発現変動遺伝子群、発現プロファイルに基づいて分類された遺伝子群が有意に特定の生物学的機能(Gene Ontology)を含んでいるか、または特定のパスウェイ上に存在するかを判定し、生物学的特徴付けを行なう。得られたEntity Listに対し、各遺伝子のアノテーションからNatural Language Processing (NLP) により検索した相互作用情報を利用し、ネットワーク構築を行う。

次年度使用額が生じた理由

次年度使用額が生じた理由:昨年同様新型コロナウイルス感染症のため研究を一時的に中断せざるを得なかったため次年度使用額が生じた。 使用計画:追加実験,研究実績の発表,論文投稿を予定している。

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公開日: 2022-12-28  

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