糖尿病の重症度に応じてグルコース濃度を5.5,8.0,12,24mMの4濃度に調節して硬組織形成を評価したところ,8.0mMで硬組織形成が著しく低下したが,それ以上の高グルコース濃度では逆に硬組織形成が増加した。しかし,骨質をCa/Pのバランスによって評価すると,高グルコース濃度では通常のグルコース濃度で形成された硬組織と比較して,骨質が低下しており,吸収されやすい硬組織が形成されていた。 以上の結果から,糖尿病患者でインプラント治療を行う前後の血糖値のコントロールが不十分であると,たとえ硬組織が形成されていたとしても,その後急激に硬組織が吸収されて減少する可能性が高いことが示唆された。
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