これまで、高齢者において口腔の状態が良いことは、社会参加や閉じこもりにくさに影響することが明らかになっていたが、今回の研究により、良い口腔機能を保つ(歯の本数が多いこと、義歯を使用する)ことが、社会的孤立を防ぐことがわかった。日本では独居者の増加や近隣関係の希薄化に伴い、今後、社会的孤立者のその急増が予想されている。さらに、新型コロナウイルス感染症の流行による社会活動の制限から、人々の孤独・孤立の問題は深刻さを増している。本研究によって口腔の健康が社会的孤立に関連していることが明らかになり、口腔の健康の重要性を示す基礎資料になると考える。
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