研究課題/領域番号 |
18K17108
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57050:補綴系歯学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
倉内 美智子 東北大学, 大学病院, 助教 (00757263)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | ポリフェノール / 水酸化ラジカル / 細菌芽胞 / 多剤耐性菌 / 殺菌消毒 |
研究成果の概要 |
本研究ではポリフェノール光照射殺菌法の作用機序の主体である過酸化水素光分解殺菌法(3%過酸化水素に波長365nmLEDを照射して生成する水酸化ラジカルを用いた殺菌法)の、多剤耐性菌及び細菌芽胞への殺菌効果を検証した。E.coli及びP.aeruginosaで作製した多剤耐性菌に対しては、耐性の有無に関わらず殺菌効果を示した。B.cereusから得た細菌芽胞に対しては、LEDの波長と照射時間の調整によって効率的な殺菌の可能性が示された。また、殺菌処理後の細菌芽胞の細胞膜破壊像が走査型電子顕微鏡で確認できた。これは、水酸化ラジカルが細菌芽胞の細胞膜を破壊し、殺菌作用を発揮する可能性を示唆している。
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自由記述の分野 |
歯科補綴
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、過酸化水素光分解殺菌法による多剤耐性菌及び細菌芽胞への殺菌効果及びその作用機序の一部を解明した。これは、本殺菌法が高水準消毒薬に匹敵する可能性があることを示している。すなわち、現在の高水準消毒薬に該当するグルタラール等といった、使用者にも刺激性が非常に強い消毒薬の代替になりうることを示している。本殺菌法の確立は医療従事者側にとって、より効率的かつ安全性の高い消毒・殺菌方法の実現を可能とし、ポリフェノール溶液においても同等の殺菌効果が示されれば、さらに安全性の高い消毒・殺菌方法として医療現場だけでなく、介護施設等も含めて幅広く利用することを可能とし、その社会的意義は大きい。
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