CAD/CAM冠の早期脱離について、接着性レジンセメントの重合反応動態を多角的に解明することにより、その解決方法を探索することを目的とした。レジンセメントの重合反応がラジカル反応であることから、電子スピン共鳴法(ESR)を用いてフリーラジカル生成量の評価を行い、重合反応動態の評価を行なった。また重合度やビッカース硬さとの相関関係を求めた。併せて、重合阻害因子がレジンセメントの機械的強度に及ぼす影響についても評価した。これらを硬化促進プライマーおよび光照射の有無の条件群で比較したところ、プライマー併用によりフリーラジカル反応は活性化され、重合阻害を軽減させる効果を認めた。
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