高齢者の創傷治癒力は低く、骨損傷時には修復遅延や修復骨量の不足が問題となる。しかし、老化が骨修復に与える影響については知見が乏しい。そこで本研究では、マウス頭頂骨に規格化骨欠損を作製し、修復骨における遺伝子発現を網羅的に解析することで、高齢と若齢とで骨修復における分子メカニズムが異なるか、検討した。まず、生理的状態の骨に発現する遺伝子を網羅的に解析した。その結果、高齢ではタンパク質分解に関わる遺伝子(MMP等)が発現上昇することがわかった。そこで骨修復過程におけるMMP9と13の発現について検討した。その結果、MMP9と13が骨欠損修復における骨基質改造に関与することが示唆された。
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