研究課題
本研究は、国立循環器病研究センター予防健診部による循環器コホート調査である「吹田研究」を母体として進めている。令和元年度は、国立循環器病研究センターの移転に伴い、歯科健診を当初の予定通りに実施することができず、歯科健診者数は0名であった。これまで蓄積したデータベースの合計は、ベースラインデータが2,339名、再評価データが1,473名となった。これらの一部を用いて、以下の解析を行った。平成20年6月から平成25年6月までのベースライン時ならびに平成22年6月から平成29年2月までのフォローアップ時のいずれにも参加した937名のうち、調査項目に欠落のあった138名、ならびにベースライン時にメタボリックシンドロームに罹患していた200名を除外した599名(男性254名、女性345名、ベースライン時平均年齢65.8歳)を分析対象とた。ベースライン時に検査用グミゼリーを用いた咀嚼能率測定を行い、将来的なメタボリックシンドローム発症のリスクを算出した。フォローアップ時にメタボリックシンドロームの新規発症が認められたのは88名(男性50名、女性38名)であった。男性において、咀嚼能率が低値である者におけるメタボリックシンドローム発症のハザード比は、多変量調整で2.13倍であった。一方で、女性については、咀嚼能率とメタボリックシンドローム発症との間に有意な関連は認められなかった。本研究より、男性において、咀嚼能率の低値は将来的なメタボリックシンドロームの発症のリスクとなる可能性が示唆された。
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Odontology
巻: - ページ: -
10.1007/s10266-020-00501-3.
Journal of Prosthodontic Research
10.1016/j.jpor.2019.10.001.