研究課題
顎顔面領域では、欠損が重篤かつ複雑な様相を呈する。そのため、補綴装置の安定は困難であり、強固な維持源としてインプラントが応用されている。しかし、その成功率は口腔内と比較して著しく低い。これは、顎顔面インプラントの「皮膚」を貫通する特殊性が要因の1つであると思われる。そこで本研究は、口腔粘膜と皮膚を貫通するインプラント周囲軟組織の相違点を解析する。さらに、皮膚とインプラント間における軟組織封鎖性の向上を目的とした。ラット上顎右側第一臼歯抜去後、実験用インプラントを埋入し、口腔内(顎骨)モデルを作製した。反対側天然歯を対照とし、インプラント周囲組織および軟組織封鎖性を評価した。結果、インプラント周囲では、軟組織封鎖性の低下を認めた。また、ラットの口腔粘膜(頬部)、皮膚(背部)を採取し、それぞれ上皮および線維芽細胞をチタンプレート上で培養後、細胞活性を評価した。今後は皮膚貫通インプラント周囲の軟組織封鎖性を評価し、その改善しうる条件の検討を行う予定である。
3: やや遅れている
細胞実験では、皮膚由来上皮および線維芽細胞の活性が向上しうる条件の検討を行う予定であった。しかし、動物実験におけるモデルの作製に時間を要した。そのため、進捗状況はやや遅れていると評価した。
皮膚貫通インプラントの軟組織封鎖性を向上しうる条件を検討する。細胞実験では、チタンプレートの表面処理や増殖因子の添加等を行う。また動物実験にて、インプラント周囲軟組織を評価する。
動物実験におけるモデルの作製に時間を要すると判断した。そのため、平成30年度実施予定であった細胞実験の一部を、次年度に行うこととし、残額を使用する。また、n数を確保し、実験を進めていく予定であり、取得したデータの解析を順次行う。そのため、装置およびソフト等も整備する予定である。
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Journal of Biomedical Materials Research Part A
巻: - ページ: -
10.1002/jbm.a.36651