昨年度に引き続き、軟骨細胞株ATDC5細胞にCdc42遺伝子のsiRNAを処理した細胞(Cdc42 si)と処理していない細胞(Control)における遺伝子発現様式の変化をNGS(Next Generation Sequence)解析により行った。その結果、Controlと比較しCdc42 siでは有為な発現上昇が認められた遺伝子は50個、有為な発現低下が認められた遺伝子は44個であった。発現が上昇した遺伝子にはannexin A3、syndecan2、fibulin 5、keratin 15などの細胞骨格、細胞外マトリックスタンパク質などが認められ、actin related protein2/3、col2a1などの発現低下が認められた。Cdc42を軟骨で欠損させたコンディショナルノックアウトマウスでは軟骨の形成不全、大腿骨成長板における柱状配列の欠損が認められ、様々な遺伝子が関与していると考えられてきた。今回の発現様式解析より、in vitroにおいてもin vivo同様に様々な遺伝子発現の変化により軟骨細胞の形質に影響を与えることが示唆された。
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