本研究では、急性期脳卒中患者の摂食嚥下障害と筋萎縮(サルコペニア)の関連について検証を行った。脳卒中発症時のMRIから測定した側頭筋の萎縮が、急性期病院退院時の摂食嚥下障害重症度の独立した説明因子として抽出された。つまり、脳卒中後の摂食嚥下障害の一因に、筋委縮(サルコペニア)が関連している可能性が示唆された。 また、脳卒中発症後の、舌および側頭筋の変化を超音波診断装置を用いて経時的に測定た。その結果、脳卒中の発症2週間後には舌や側頭筋の厚みが減少することが明らかになった。つまり、脳卒中関連のサルコペニアが咀嚼・嚥下関連筋にも生じ得ることが考えられた。
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