研究課題/領域番号 |
18K17132
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研究機関 | 神奈川歯科大学 |
研究代表者 |
大野 晃教 神奈川歯科大学, 大学院歯学研究科, 講師 (00611633)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 近赤外線分光法装置 / NIRS / 脳機能 / 咬合高径 |
研究実績の概要 |
口腔の健康は、全身の健康につながることが近年多く報告されており、口腔機能管理の推進など歯科保険医療の充実に取り組むことが挙げられており、補綴装置(クラウン・義歯、インプラント義歯)による咬合・咀嚼の重要性がますます高まってくることが考えられる。このような状況の中、口腔内に装着された補綴装置の咬合が身体機能に及ぼす影響を術者が評価する客観的な測定方法はなく、補綴治療がその患者に適正であるかの評価は、長年その糸口を見出だせていない。さらに高齢社会を迎え、訪問診療も含めた医療の現場において、意思疎通が難しい患者が急増しておりこの問題の解決は急務である。 現在、補綴装置の咬合高径の決定方法や、咬合のバランス、咀嚼効率・咬合力の検査は一定の指標にはなるが、必ずしも患者満足度とは一致しておらず、歯科医師は技術と経験により、患者の主観によって治療を行なっているのが現状である。本研究では、近赤外線分光法装置(NIRS)を用い補綴装置作製の際における脳活動のデジタル情報を捉えた可視化システムの開発を行い、従来おこなってきた主観的な評価を客観的に行うことを目的とする。評価方法は、義歯作製時の咬合高径の決定の際、前頭前野(背外側部と前頭極)の賦活状態の評価を携帯型NIRSにて脳機能イメージングを行う。快・不快の度合いと脳活動との相関性について解析を行い、患者の快適域(Comfortable zone)を検出する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
咬合高径挙上の装置を作製するにあたり、均一な高さにて作製する方法を確立することに時間を要した。被験者に与えるタスクについても再度検討の余地がある。
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今後の研究の推進方策 |
健常有歯顎者を被験者として脳機能の評価を行い解析を予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していた研究計画が遅れており,結果がでなかったため学会等の参加が少なく支出が少なった.また,咬合挙上装置の作製方法に時間を要しており材料費が見積もっていたよりもかからなかった. 本年度は,咬合挙上装置の作製が確立したため,この装置を用い心拍数とNIRSを用いて脳機能の評価を行い研究を進める予定.現在までに5名の被験者のデータを採取しており今後は10名の段階で,データ解析を行い条件等の修正が必要か検討する予定ある.
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