下顎位の変化にて誘発される前頭前野の血流量の変動を計測し、咬合高径の客観的評価法について検討した。被験者は、個性正常咬合を有する成人 18 名を対象とし、高さの異なる咬合挙上スプリントを装着した時の前頭前野の神経活動を機能的近赤外分光法 ( fNIRS ) を用いて計測した。また,その時の情動変化を視覚的アナログスケール ( VAS ) を用いて主観的に評価した。その結果咬合挙上量が増加するにつれて不快感は有意に上昇したのに対して、前頭前野の神経活動も変動し、特に前頭極付近で有意な変化が観察された。よって、前頭前野の神経活動より、非侵襲的かつ客観的に咬合高径を評価出来る可能性が示唆された。
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