本研究では認知負荷の高い舌を用いた口腔運動トレーニングが認知機能の向上に寄与する可能性を検討することとした. 舌運動トレーニングが認知機能に影響を及ぼす可能性を確認するために,口腔内装置が入った状態で指定した舌運動を学習するメカニズムを脳活動の変化から明らかにした.具体的には口蓋床装着による口腔内環境の変化からの適応過程を,舌運動の変化と脳活動の経時的変化から検討した.その結果,口腔内環境の変化に対する舌運動の適応には,角回および楔前部における感覚情報の統合と動作イメージの形成が関わることが示唆された.
|