研究実績の概要 |
閉塞性睡眠時無呼吸症(OSA)に対する治療は, 医科で行うCPAP治療が主流だが, 近年歯科で行う口腔内装置(OA)治療の有用性が医科でも認められつつある. OAは下顎を前方に牽引するタイプが主流で, 構造的に上下一体型OAと上下分離型OAに分類される. 本邦では保険制度上の理由から, 簡便で安価な一体型OAが主に用いられている. しかし世界的にはOAの装着感や下顎位の調整のしやすさから, 分離型OAが主流である. 本邦でも分離型OAの普及を図るためには, 一体型OAと比べた際の分離型OAの有効性を客観的に調べる必要がある. しかし現在までに報告は少なく, 現状分離型OAが有効かは示されていない. そこで本研究では, OA作成のため紹介を受けたOSA患者に対し, 一定期間分離型OAと一体型OAを交互に使用させ, 治療効果, 副作用の程度, OOLの改善度, 患者満足度など包括的に評価を行う事を目的とした. 本研究により, 分離型OAの有効性が立証されれば, 分離型OAの保険導入への妥当性を裏付ける一助となる. 2018年度は研究に用いる評価装置を導入し, 使用するためのチュートリアルを受けた. また分析に必要なパソコンを購入し, 研究を行う準備を行った. その後は予備実験を行い, 研究計画のブラッシュアップを行った. 得られた結果を参考に当初の研究計画を修正し, 現在倫理審査の申請中である.
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