CAD/CAM冠の脱離を阻止することを目的に,象牙質表面の接着阻害因子による影響とその除去法の効果,さらにレジンセメントの違いが接着強さに与える影響を評価した. 象牙質表面に残存した仮着材は機械的除去法のみでは十分に除去できず,接着性レジンセメントの接着能は有意に低下した.また,機械的除去に続くリン酸および次亜塩素酸ナトリウムによる化学的処理が低下した接着能を回復させるのに効果的であった.プライマー併用型接着性レジンセメントの接着強さはセルフアドヒーシブ型接着性レジンセメントより有意に高いものの,プライマー併用型レジンセメントにおいても仮着材成分残存は接着強さが低下することが明らかとなった.
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