研究課題
本年度は、ウレタン麻酔を投与したモルモットにおいて、脳電図、眼電図、心電図、開閉口筋筋電図、鼻部呼吸気流を記録した。また、顎運動の記録には、下顎正中部にLEDターゲットを装着し、CCDカメラでLEDターゲットの位置を検出した。その上でウレタン麻酔下でこれらの生体信号を記録する実験系の確立と、睡眠時ブラキシズムのモデルとして活用可能な減少が出現するかどうか検討した。過去のマウスやラットの研究で報告されているように、ウレタン麻酔下では、脳波活動の振幅が高く、δ波成分が優位な期間と、振幅が低くθ波成分が高い期間の2種類に分類できた。実験を実施したほとんどの動物において、2種類の期間がある一定の時間で交互に出現するウルトラディアンリズム様の変化を示した。一部の動物では、ウルトラディアンリズムが明瞭で脳波の振幅が高い期間が長いままのことがあった。この脳波活動のウルトラディアン変化に伴って、心拍数や呼吸数が変化した。とくに、脳波が振幅が高い時期から低い時期に切り替わるところでは、呼吸リズムの変化が明瞭であった。ウレタン麻酔下では、下顎位が緩やかに変動する他、、脳波活動が変化することに伴って、時折、反復性で側方への下顎運動が発生した。この下顎運動は、閉口筋の活動が著明で、開口筋の活動は低いが、時折歯がこすれる音が発生した。以上のことから、本年度は、ウレタン麻酔下において、反復性の閉口筋活動を伴う歯ぎしり様の下顎運動が発生することが明らかとなった。
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日本歯科評論
巻: 80 ページ: -
Journal of sleep research
巻: 28 ページ: e12823
doi.org/10.1111/jsr.12823