細胞培養を行う上で、良質な細胞を多量に得ることは必ずしも容易なことではない。培養条件によっては継代を繰り返す中で細胞の形質が変化してしまうこともまれではない。そこで、本研究計画では細胞培養条件に着目した。細胞培養条件として、今回用いたのはチタン表面に対する水熱処理である。水熱処理とは高温高圧(とはいえ200℃程度で起こる反応であり、金属の融解温度と比べると大幅に低温である)の水の存在下で起こる現象で、金属表面の性質が変化することが知られている。今回我々はチタン合金に水熱処理を行い、その上で細胞培養を行った。その結果、細胞の接着に有利な条件があることを明らかにした。
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