口腔内で長期間機能を維持できる補綴装置の設計・製作を可能とするため、本研究では工学的手法を用いて患者個々の機能的・形態的データ(歯列・歯槽骨・顎関節形態、骨密度、咬合接触、咬合力、下顎運動)を組み込んだ動的有限要素解析による構造力学的シミュレーションを応用した補綴装置の設計最適化システムの構築を進めた。生体組織を高精細に再現した動的有限要素解析モデルを生成し、歯列形態と咬合力・下顎運動データの統合を通じて個体別の構造力学的シミュレーションを可能とした。また、構造力学的シミュレーションを症例に応用することで補綴治療の予後予測や最適な材料の選択の一助となる可能性が示唆された。
|