研究課題/領域番号 |
18K17162
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研究機関 | 宮崎大学 |
研究代表者 |
纐纈 衆 宮崎大学, 医学部, 医員 (20806335)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 自己フィブリン糊 / 上皮再生 |
研究実績の概要 |
[1]上皮欠損ラットを用いた,自己血フィブリン糊の処理後上皮の免疫組織組織学的評価.[2]粘膜・骨欠損ラットを用いた,自己血フィブリン糊の処理後の上皮および骨再生の評価.[3]新規骨補填材料による処理後の骨欠損ラットを用いた,自己血フィブリン糊の処理後の上皮および骨再生の評価. 上記、3つの当該年度に実施した研究の目的のうち、[1]については実験系を完成させ、学会発表(the 13th Asian Congress of Oral and Maxillofacial Surgery (ACOMS) November 8-11, 2018)を行った。また論文作成も行い、現在投稿中である。確立した実験系は下記のとおりである。 [方法]Wister種 雄 15週齢ラットの背部に10×10mmの皮膚欠損部を4つ作成する.欠損部各々に未処理,PGAシート+生理食塩水,PGAシート+市販フィブリン糊(ベリプラストP),PGAシート+自己血由来フィブリン糊(用手法にて作成フィブリン糊)にて創部被覆処理を行った.術後1週,2週,4週,6週各々の上皮形成過程について病理組織学的に評価した.[結果]組織学的に自己フィブリンは創傷治癒が促進され、迅速な上皮形成を促すことが分かった。またLaminin,Cytokeratin,VEGFによる免疫組織学的評価にて、明らかに、創傷治癒効果があることが証明された。[考察]一般に、フィブリンの分解は数日から数週間以内に達成され、局所的な血管新生、組織成長、および修復を補助するとされる(Schlag et al.,1986).今回の実験では,創傷治癒能力が十分にあることが示されたが,これは自己由来血漿中に含まれるとされるTGF-βおよびVEGFが、十分な毛細血管の発達を含む肉芽組織新生を亢進し,上皮細胞を再生する過程を促進することが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
[1]上皮欠損ラットを用いた,自己血フィブリン糊の処理後上皮の免疫組織学的評価.[2]粘膜・骨欠損ラットを用いた,自己血フィブリン糊の処理後の上皮および骨再生の評価.[3]新規骨補填材料による処理後の骨欠損ラットを用いた,自己血フィブリン糊の処理後の上皮および骨再生の評価. 上記、3つの当該年度に実施した研究の目的のうち、[1]については実験系を完成させ、学会発表(the 13th Asian Congress of Oral and Maxillofacial Surgery (ACOMS) November 8-11, 2018)を行った。また論文作成も行い、現在投稿中である。確立した実験系は下記のとおりである。 [方法]Wister種 雄 15週齢ラットの背部に10×10mmの皮膚欠損部を4つ作成する.欠損部各々に未処理,PGAシート+生理食塩水,PGAシート+市販フィブリン糊(ベリプラストP),PGAシート+自己血由来フィブリン糊(用手法にて作成フィブリン糊)にて創部被覆処理を行った.術後1週,2週,4週,6週各々の上皮形成過程について病理組織学的に評価した.[結果]組織学的に自己フィブリンは創傷治癒が促進され、迅速な上皮形成を促すことが分かった。またLaminin,Cytokeratin,VEGFによる免疫組織学的評価にて、明らかに、創傷治癒効果があることが証明された。[考察]一般に、フィブリンの分解は数日から数週間以内に達成され、局所的な血管新生、組織成長、および修復を補助するとされる(Schlag et al.,1986).今回の実験では,創傷治癒能力が十分にあることが示されたが,これは自己由来血漿中に含まれるとされるTGF-βおよびVEGFが、十分な毛細血管の発達を含む肉芽組織新生を亢進し,上皮細胞を再生する過程を促進することが示唆された。
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今後の研究の推進方策 |
[3]新規骨補填材料による処理後の骨欠損ラットを用いた,自己血フィブリン糊の処理後の上皮および骨再生の評価. のうち、現在、予備実験で作成した頭蓋骨欠損部に新規骨補填材料OCP/Collagenを填入し,上皮欠損処理を施したラットを用いる.OCP/Collagen直上の上皮欠損部に吸収性ポリグリコール酸シートおよびクリオシールシステムにて作成した自己血フィブリン糊にて被覆する.上皮形成能および骨形成能をHE染色およびエラスチカ・マッソン染色,免疫染色(オステオポンチン・オスオカルシン・TRAP・RANX2・1型コラーゲン・アルカリフォスファターゼ)にて評価している最中である。 今後は新規骨補填材料OCP/Collagenによる骨再生と、自己血フィブリン糊による上皮再生作用を組み合わせた実験系を確立し、作業していくことが課題である。
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次年度使用額が生じた理由 |
抗体の使用量が少なかったことと、学会発表が一回のみだったことが、その理由と考える。 次年度は、抗体の追加購入を検討している。
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