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2019 年度 実施状況報告書

拡散強調画像分画成分抽出による三叉神経障害性疼痛の新たな評価法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 18K17165
研究機関新潟大学

研究代表者

大塚 有紀子 (須田有紀子)  新潟大学, 医歯学総合病院, 医員 (30815767)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2021-03-31
キーワードクラスタ解析 / Double exponentialモデル / 灌流 / 拡散強調画像 / 末梢神経
研究実績の概要

MRIの拡散強調画像法は、組織の状態を、定量的に「見かけの拡散係数」として評価可能である。当研究は、これを用いて、三叉神経第三枝の分枝である下歯槽神経の中の、正常時の組織分画の抽出と評価を目的としている。拡散強調画像で捉えられる下歯槽神経は小さいため、従来その評価は関心領域全体を行うことが一般的である。しかし、神経はもちろん複数の組織から成り立っている。このことから、拡散強調画像で観察される神経を、組織に関連した分画に分けることで、より細かい神経の評価が可能となる。
拡散強調画像では、それぞれのボクセルが組織に由来した異なる水分子の動きを含む。よって、拡散強調画像撮像時のパラーメータ、b値による信号減衰がボクセルごとに異なる。これに着目し、拡散強調画像のグループ化には、信号減衰にモデルを当てはめたデータではなく、信号減衰データそのものを使用することとした。この手法により、データに忠実で、これまで得られなかった分画が得られる考えた。
本年度、分画化にはクラスタリング解析、評価には従来から拡散強調画像の評価で使われている指数関数モデル(exponential model)を用いる手法を適用した。拡散強調画像データにはb値を8点分のデータを使用した。分画化の際には、シルエット解析で分画数を決定し、3つの分画を抽出することとした。結果、それぞれまとまって分布した3つの分画をえることができた。評価には指数関数モデルの中でも、2つの成分が抽出できるDouble exponentialモデルで評価を行ったところ、一つの速い流れを反映した灌流成分の豊富な分画と、指数関数モデルでは区別の困難な2つの分画を、より細分化して抽出することができた。この結果は、新潟歯学会雑誌49巻第1号,13-18にて論文発表を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

クラスタ解析での分画化に成功し有意な分画を得ることができ、論文発表することができた。信号成分を分画化することにより、従来よりすすんだ末梢神経の評価ができる可能性を示すことができた。

今後の研究の推進方策

本年度の解析で抽出した、指数関数モデルでは区別困難であった分画について、さらに評価ができるよう解析を進める。また他の分画法やその評価法を検討する。

次年度使用額が生じた理由

データ処理、論文作成、またデータ採取時の被験者謝礼が必要である。また、学会等に参加し情報収集するため、次年度も使用額が生じる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2019

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 拡散強調画像のクラスタ解析による下歯槽神経の成分分画2019

    • 著者名/発表者名
      大塚(須田) 有紀子, 照光 真, 瀬尾 憲司
    • 雑誌名

      新潟歯学会雑誌

      巻: 49 ページ: 13-18

    • 査読あり

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公開日: 2021-01-27  

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