研究課題/領域番号 |
18K17167
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
森下 廣太 長崎大学, 病院(歯学系), 助教 (50779519)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | ARONJ / テリパラチド |
研究実績の概要 |
2003年にビスホスホネート製剤で顎骨壊死が起こることが報告されて以降、同様の顎骨壊死の報告が散見され広く知られるようになった。また、ビスホスホネー ト製剤だけでなく抗RANKL抗体であるデノスマブでも顎骨壊死が起こることが報告されている。これらの顎骨壊死はエビデンスのある治療法が確立されていない ため一度発症すると治療に難渋することが多く、また、施設間で治療法が異なっているのが現状である。近年、骨吸収抑制剤関連顎骨壊死(ARONJ)に対して遺伝 子組換えヒト副甲状腺ホルモン製剤であるテリパラチドの間欠投与が報告され一定の見解を得ている。本研究はテリパラチドがどのような機序でARONJにおける 骨破壊を抑制しているかを明らかにし、テリパラチド療法をエビデンスのある新たな治療法として確立することを目的としたものである。テリパラチド療法を 行ったARONJ患者の後ろ向き調査では、ARONJに対するテリパラチド療法の奏功率は75.9%と良好な成績が得られており、他の保存療法と比較してテリパラチド療 法の有効性が示唆された。また、骨吸収抑制薬の投与経路が経口の場合は注射投与と比較して治療成績がよい傾向にあることが明らかとなった。一方、テリパラ チドは骨芽細胞前駆細胞を活性化し骨形成を促進する作用があるとされるが、本調査ではオステオカルシンや骨型アルカリフォスファターゼなどの骨形成マー カーに有意な上昇は認めなかった。本研究の成果は国内および国際学会で発表し、論文はJournal of Orthopaedic Scienceにacceptされた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
臨床研究においてテリパラチドのARONJに対する有効性が示唆され、その成果を論文として発表することができたが、In vitroでの実験は開始が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
テリパラチドのARONJに対する有効性は臨床研究で示された。今後はその機序を解明すべく、in vitroでの実験を行い、テリパラチドの投与による骨代謝動態ならびに病理組織学的な変化の解析を進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和元年度は論文執筆に時間を要し、また、研究代表者の異動もありin vitroでの実験の開始が遅れている。令和2年度にそれに必要な試薬や物品を購入し解析を進めていく予定である。
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