研究課題/領域番号 |
18K17171
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分57060:外科系歯学関連
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研究機関 | 東京医科歯科大学 (2019-2020) 長崎大学 (2018) |
研究代表者 |
奥山 紘平 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科顎口腔外科学分野, 非常勤講師 (30781968)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 抗EGFR抗体 / 細胞周期 / 細胞遊走 / Skp2 / p27 / Akt / mTOR / オートファジー |
研究成果の概要 |
Fucciを導入した舌癌由来のSAS細胞において、セツキシマブ長期処理により、G1期での細胞周期の同調を認めた。このメカニズムを解明すべく、タンパク発現を解析した。その結果、セツキシマブによる早期のEGFR経路の阻害は引き起こさないが、細胞遊走低下による、細胞接触ストレスを介したAkt・mTOR活性を低下させ、p27の増加とオートファジーの亢進により細胞増殖を抑制したと結論付けることができた(Okuyama, et al. Sci Rep 2021;11:5259)。 本来の計画の放射線増感効果の検証までは至っていないが、本研究結果をもって増感を得る標的を明らかにすることができた。
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自由記述の分野 |
口腔腫瘍学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
頭頸部癌に対するセツキシマブの適応拡大以来、良好な反応性が期待され、維持療法としての使用頻度も高まっている一方、その投与が長期化するケースも多い。本研究では、舌癌細胞における細胞周期動態を観察するとともに、細胞内タンパク発現動態を解析することで、セツキシマブ増感因子の同定を目的とした。その結果、p27の蓄積とオートファジーの誘導が生じていることが明らかとなった。これを糸口とし、細胞死への誘導や免疫原性の増加を付与する因子を同定し、修飾することでセツキシマブの治療効果を向上させる可能性がある。
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