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2020 年度 実施状況報告書

新規口腔がん関連長鎖non-coding RNAの機能解析と臨床応用

研究課題

研究課題/領域番号 18K17174
研究機関札幌医科大学

研究代表者

西山 廣陽  札幌医科大学, 医学部, 助教 (60749563)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード口腔がん
研究実績の概要

これまで申請者らは口腔がんの進展に関与するlncRNAをスクリーニングし、新規口腔がん関連lncRNAとしてDLEU1 (deleted in lymphocytic leukemia 1)を同定した(Cell Death Dis, 2018)。我々はThe Cancer Genome Atlas (TCGA)が公開している頭頸部扁平上皮癌のRNA-seqデータを解析し、がん組織において過剰発現するlncRNAを抽出した。さらにその中から、DLEU1のノックダウンが口腔がん細胞の増殖、遊走・浸潤、in vivo腫瘍形成能を強く抑制することを見いだした。また我々はDLEU1の下流標的遺伝子としてHAS3 (Hyaluronic synthase 3)、CD44、TP63を同定した。これらの遺伝子発現はDLEU1ノックダウンにより抑制され、TCGAデータ解析ではこれらとDLEU1発現の間に正の相関が見られた。HA (Hyaluronic acid)-CD44シグナルは、口腔がんの進展を促すことが知られている。また近年、ΔNp63がHAS3やCD44の発現を直接制御することで、HA-CD44シグナルを活性化することが報告されている。本研究では、口腔がんにおけるDLEU1の詳細な分子機能、特にDLEU1とHA-CD44を結ぶ作用機序とその臨床的意義を明らかにする事で、診断・治療に応用しうる知見を得られる可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

DLEU1と正の相関をもって発現する標的遺伝子候補を同定した。しかしながらその直接的な作用機序の同定には至っていないため。

今後の研究の推進方策

hIRP (Chromatin isolation by RNA purification)法により、DLEU1のゲノムDNA上の結合領域およびDLEU1と相互作用するタンパクを網羅的に探索する。DLEU1をベイトとし、回収したゲノムDNAをdeep sequence解析する(ChIRP-seq)。DLEU1ノックダウンあるいは過剰発現が遺伝子発現に与える影響をマイクロアレイで解析し、ChIRP-seqデータを統合することで、DLEU1標的遺伝子を同定する。

次年度使用額が生じた理由

コロナ渦により学会旅費が必要なくなったため。未使用額が生じた。未使用分については次年度のPCR試薬等の実験試薬購入費に使用する。

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公開日: 2021-12-27  

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