研究課題/領域番号 |
18K17175
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
Marin Elia 京都工芸繊維大学, 材料化学系, 助教 (10814014)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 薬剤関連顎骨壊死 / MRONJ / ラマン分光法 / 破骨細胞 / ビスホスホネート / BRONJ |
研究実績の概要 |
近年、薬剤関連顎骨壊死(以下、MRONJ)と呼ばれる医原性の顎骨疾患が問題となっている。MRONJは骨粗鬆症や癌の骨転移の治療薬としてビスホスホネート系薬剤(BP剤)を内服している患者に、顎骨露出や骨壊死が発症するのが特徴的である。現在でも、MRONJの発症メカニズムはBP剤が破骨細胞のアポトーシスを誘導し、骨代謝回転が過度に抑制されているが、発症メカニズムは明らかにされていない。MRONJは超高齢化社会を迎える我が国において今後増加することが予想され、その病態を理解し、究明することが喫緊の課題となっている。 これまでの破骨細胞の研究は、プラスティクプレート上で破骨細胞を培養し、TRAP染色やPCR等の固定や染色、プローブを用いた破壊的・侵襲的な解析がほとんどであった。しかしながら、これらは本来の破骨細胞の生理機能を解析することはできなかった。 本研究では、ラマン分光法で破骨細胞の生理機能解析することでMRONJの病態解明を行う。我々は、高感度に分子レベルの解析を行うことができるラマン分光法に着目した。ラマンスペクトルは”分子の指紋”と呼ばれており、細胞や組織を生きたまま蛍光標識や固定を行わず、非侵襲的に分子レベルの解析が可能である。そのため、生命科学分野での応用が期待されている。 ラマン分光分析を行うことで、MRONJのバイオマーカーを同定し、その発症メカニズムを解析出来ると考えられる。本法は、レーザーラマン顕微鏡を用い、MRONJの発症に関与する破骨細胞より特有のラマンスペクトルを取得することで、MRONJの病態解明を目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究機関の異動に伴い、新規所属機関での準備に時間を要したため、研究開始が予定より遅れた。2018年度は、ガラス基板上で培養した破骨細胞のラマンプロファイリングにより、破骨細胞特有のラマンスペクトルを取得することができた。また、より生体に近い環境でラマンプロファイリングをする計画についても、現在進行中である。
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今後の研究の推進方策 |
2019年度は、象牙基板上で培養した破骨細胞(骨吸収している状態)のラマンスペクトルを取得し、薬剤関連顎骨壊死の臨床診断に応用可能な新規バイオマーカーを探索する。これにより、プラスティクのプレート上ではできなかった、破骨細胞の骨代謝の分子イメージングが可能となる。また、Bisphosphonate系薬剤が破骨細胞の骨吸収に与える影響を調べる。マウス由来マクロファージ様細胞株RAW264.7またはプライマリーなラビット骨髄細胞を象牙上に播種し、Bisphosphonate系薬剤の存在下または非存存下で破骨細胞へ分化誘導し、レーザーラマン顕微鏡で破骨細胞特有のラマンスペクトルの探索やBisphosphonate系薬剤が破骨細胞の骨吸収に及ぼす影響を明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
レーザーの寿命による交換時期を考え資金計画を行った為
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