本研究は、三叉神経系におけるATP受容体を介した細胞内・細胞間コミュニケーションの詳細を検索した。ラット三叉神経節細胞には、P2X7受容体、Panx-1チャネル、P2X4受容体を介したATPの自己分泌機能がある可能性が示唆された。また、三叉神経節細胞間の相互作用も認めた。ラット脳微小血管内皮細胞には、アデニル酸シクラーゼの活性化によるGsタンパク質共役型受容体を介したシグナル伝達経路の存在が示唆された。 ATP、Ca2+、cAMPなどの細胞内シグナル伝達物質を介した三叉神経節細胞内・細胞間コミュニケーションが炎症性疼痛のメカニズムに重要な役割を果たしていることが示唆された。
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