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2020 年度 実施状況報告書

歯髄幹細胞の効率的回収と輸送中の歯髄組織培養を可能とする新規凍結保存法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 18K17183
研究機関鶴見大学

研究代表者

竹部 祐生亮  鶴見大学, 歯学部, 助教 (50807097)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2022-03-31
キーワード歯髄幹細胞 / 歯髄組織 / 凍結保存 / 間葉系幹細胞
研究実績の概要

医療廃棄物である抜去歯の歯髄組織内に間葉系幹細胞が存在することが確認されている。この細胞はdental pulp stem cells:DPSCsと呼ばれ、現在臨床応用されている骨髄および脂肪組織由来の幹細胞と同程度の分化能を有していながらそれらの幹細胞と比較して高い増殖能を持つこと、遺伝子変異の蓄積が少ないことから、最近、再生医療における重要な細胞ソースとして注目されるようになってきた。将来の再生医療に向けてより多くの歯髄幹細胞を確保する上では、低コストで簡便、且つ安全な細胞回収システムが必要であると考えた。そこで、本研究では歯髄幹細胞の簡便な回収と確実な保存を可能とし、抜去歯より歯髄組織を採取後、培養を行いながら移送するシステムの構築を目指す。これにより、歯髄幹細胞による再生医療の裾野が拡大することが期待される。
患者またはボランティアの抜去歯より歯髄組織を採取後、組織片を細切し、多孔性メンブレンで挟み、48時間培養を行う。そして、採取直後の歯髄組織と48時間培養後の歯髄組織をパラフィン切片にしてHE染色を行い、組織片内の細胞の挙動を確認する。
尚、ポアサイズは細胞が通れないサイズである0.4μmのものを使用。この結果、組織辺縁に歯髄内の細胞が遊走されたことが確認できた。また、辺縁に遊走されるまでの日数は通常のExplant群と比較すると、明らかに短い日数で確認できた。
メンブレンで挟み、48時間培養を行った歯髄組織片をセルバンカーに浸漬し-80℃で凍結し、1週間後解凍し、培養ディッシュ上でOutgrowthが確認された。そこで、得られた細胞の分化能(骨芽細胞、脂肪細胞、軟骨細胞)、細胞表面マーカーについて現在検討中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

covit-19蔓延のため、提供歯髄数が少なく実験を十分に行うことが出来ず、計画が遅れている。

今後の研究の推進方策

外来患者数も緩やかにではあるが、人数も戻ってきており、実験設備も完全防護を行うなど、対策を取り進めていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

実験が十分に行えなかったため、骨芽細胞・脂肪細胞・軟骨細胞への分化能の検討が遅れているので、各誘導培地、バイオマーカー等の試薬が次年度に納入予定である。
歯髄組織片より分離された細胞の特性を検討するため、各誘導培地を用いて、骨芽細胞、脂肪細胞、軟骨細胞への分化能を検討する予定である。また、フローサイトメトリーを用いて細胞表面マーカーの検討を行う予定である。

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公開日: 2021-12-27  

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