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2021 年度 実施状況報告書

歯髄幹細胞の効率的回収と輸送中の歯髄組織培養を可能とする新規凍結保存法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 18K17183
研究機関鶴見大学

研究代表者

竹部 祐生亮  鶴見大学, 歯学部, 助教 (50807097)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2023-03-31
キーワード歯髄幹細胞 / 歯髄組織 / 凍結保存 / 間葉系幹細胞 / 再生医療 / 歯髄 / 幹細胞 / 凍結保存法
研究実績の概要

医療廃棄物である抜去歯の歯髄組織内に間葉系幹細胞が存在することが確認されている。この細胞はdental pulp stem cells:DPSCsと呼ばれ、現在臨床応用されている骨髄および脂肪組織由来の幹細胞と同程度の分化能を有していながらそれらの幹細胞と比較して高い増殖能を持つこと、遺伝子変異の蓄積が少ないことから、最近、再生医療における重要な細胞ソースとして注目されるようになってきた。将来の再生医療に向けてより多くの歯髄幹細胞を確保する上では、低コストで簡便、且つ安全な細胞回収システムが必要であると考えた。そこで、本研究では歯髄幹細胞の簡便な回収と確実な保存を可能とし、抜去歯より歯髄組織を採取後、培養を行いながら移送するシステムの構築を目指す。これにより、歯髄幹細胞による再生医療の裾野が拡大することが期待される。
患者またはボランティアの抜去歯より歯髄組織を採取後、組織片を細切し、多孔性メンブレンで挟み、24時間、48時間、72時間、96時間と培養を行った。72時間培養した群は24時間、48時間培養群と比較して、組織辺縁での細胞集積が一番多く確認できた。また、96時間では、組織より細胞外へ遊走されていた。
これらの結果から、72時間の組織培養が凍結保存の条件として適していることが示された。
現在は、細胞遊走のメカニズムに関して検討中。
24時、48時間、72時間培養した歯髄組織辺よりタンパクを抽出し、マルチプレックスを用いてタンパクの発現量の解析を行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

歯髄組織採取が可能になり、最適培養条件について検討できた。

今後の研究の推進方策

今後は、細胞遊走のメカニズムについて検討予定。
培養歯髄組織片よりタンパクを抽出し、マルチプレックスにて網羅的に解析を行う。一番細胞が組織片に集積している72時間培養群で、有意に上昇する因子があれば、中和抗体を用いて検討予定である。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナウイルス感染症拡大予防のため世界的なサプライチェーンに不具合が生じている影響で、プラスティック製品を始めとする消耗品の入手が困難であったため、購入費用が十分に発生していない。
現在、組織培養に必要な培地や培養容器などが購入可能になっため購入予定である。加えて、遊走メカニズムの検討のために組織より放出される種々のサイトカインについてマルチプレックス解析を行う予定である。そのために、周辺の消耗品を購入する予定である。

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公開日: 2022-12-28  

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