研究課題
口腔癌の重要な予後決定因子であるリンパ節転移のメカニズム解析を目的とする中で、研究計画の一つであるエクソソーム解析を中心に行った。その結果、独自に樹立した口腔扁平上皮癌細胞株から、癌の転移や浸潤に重要なタンパク質やmiRNAを内包すると考えられるエクソソームを抽出することに成功した。また、ウェスタンブロッティング法を用いてエクソソームマーカーの発現も確認することができ、エクソソームの抽出を裏付けることに成功した。癌細胞から分泌されるエクソソームは、本研究の最大の目的であるリンパ節転移メカニズムにも深く関与すると考えられており、エクソソーム抽出により新たなメカニズムの解析および新たな治療ターゲットとなり得る分子の発見につながる可能性がある。また、エクソソームが関与する転移メカニズム解析に関連して、従来から血管新生ファミリーとして知られているVEGFについても同時に発現解析をすすめた。中でも、抽出したエクソソームからRT-PCRにてVEGF-Aの特異的発現を確認することができ、口腔扁平上皮癌のリンパ節転移においてエクソソームが果たす機能的役割の一つとしてVEGFファミリーとの関連が確認できた。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件)
日本口腔腫瘍学会誌
巻: 33(1) ページ: 29-34
10.5843/jsot.33.29
Oral Science in japan 2020
巻: - ページ: 27-30
Oral Science International
巻: - ページ: -
10.1002/osi2.1062