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2019 年度 実績報告書

骨微小環境におけるSASP因子の関与

研究課題

研究課題/領域番号 18K17214
研究機関兵庫医科大学

研究代表者

玉岡 丈二  兵庫医科大学, 医学部, 助教 (60755578)

研究期間 (年度) 2018-04-01 – 2020-03-31
キーワード骨微小環境 / SASP
研究実績の概要

老化は未解明な生命現象であり、骨リモデリングが行われる骨微小環境においても例外ではない。骨リモデリングは破骨細胞と骨芽細胞による連関した制御システムであり、このバランスの破綻がさまざまな骨疾患につながる。近年、老化を起こした細胞は、単に細胞増殖を停止しているのではなく、炎症性サイトカインなどさまざまなタンパク質を分泌していることが明らかになった。この分泌現象はSASP(senescence-associated secretory phenotype)と呼ばれているが、骨微小環境との関連の報告は少ない。
細胞はマクロファージ系破骨細胞前駆細胞株RAW264.7を用いた。RAW264.7を、5、10、20代継代培養(それぞれP5、P10、P20)した。細胞増殖能はWST-8 assayおよびmTORの発現をウエスタンブロット法(以下WB)で評価した。老化は細胞老化マーカーであるSA-βGal活性およびp53の発現をWBで評価した。破骨細胞分化への影響は、RANKL(50 ng/ml)の投与後、TRAP染色およびTRAP activity assayを行い、RANK、NFATc1の発現をWBで評価した。SASP因子(iNOS、HIF、TGF-β1)の発現をWBで評価し、また培養上清中のNOおよびIL-6産生量の測定を行った。
P20では、P5およびP10と比較してSA-βGal活性の増強およびp53発現の上昇を認め、複製老化を再現した。細胞増殖はP5が最も高く、次にP10、P20の順に低下し、mTOR発現も同様であった。RANKL投与によりP5、P10おけるTRAP活性は上昇するが、P20では上昇を認めなかった。また、P5、P10ではRANK、NFATc1のタンパク発現の上昇がみられたが、P20ではみられなかった。P20のSASP因子のタンパク発現の上昇を認め、培養上清中のNO、IL-6産生量は、継代数の増加に伴い増加がみられた。
破骨前駆細胞の老化により破骨細胞分化は抑制され、さらに、老化破骨前駆細胞はSASPを介して自己老化や分化抑制、さらに周囲に炎症を引き起こすことが考えられた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2020 2019

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Osteonecrosis of the jaws caused by bisphosphonate treatment and oxidative stress in mice2019

    • 著者名/発表者名
      Tamaoka J, Takaoka K, Hattori H, Ueta M, Maeda H, Yamamura M, Yamanegi K, Noguchi K, Kishimoto H
    • 雑誌名

      Experimental and Therapeutic Medicine

      巻: 17 ページ: 1440-1448

    • DOI

      10.3892/etm.2018.7076

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Effects of TGF-β1 on the migration and morphology of RAW264.7 cells in vitro.2019

    • 著者名/発表者名
      Ueta M, Takaoka K, Yamamura M, Maeda H, Tamaoka J, Nakano Y, Noguchi K, Kishimoto H
    • 雑誌名

      Molecular Medicine Reports

      巻: 20 ページ: 4331-4339

    • DOI

      10.3892/mmr.2019.10662

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 破骨細胞前駆細胞の老化におけるSASPへの影響2020

    • 著者名/発表者名
      服部洋一, 高岡一樹, 玉岡丈二, 上田美帆, 押谷将之, 野口一馬, 岸本裕充
    • 学会等名
      第74回日本口腔科学会学術集会

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公開日: 2021-01-27  

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